水耕栽培のスポンジ培地の上手な選び方!種まきの流れも解説
水耕栽培では、植物を支えるための土台となるスポンジ培地が重要です。
スポンジ培地には、さまざまな種類があるため、育てる果物や植物に適したものを選びましょう。
この記事では、スポンジ培地の重要性や、上手な選び方について解説します。
この記事は、水耕栽培用スポンジを製造する富士ゴム産業が執筆しています。
水耕栽培のスポンジ培地とは
水耕栽培で根を支える部分を培地と呼びます。
通常の農業では土が作物を支えるため培地は不要ですが、水耕栽培は土を使用しないため培地が必要となります。
作物が培地に根を伸ばし、水分や栄養を吸収するのです。
水耕栽培の培地は、一般的にウレタンスポンジが使われます。
ウレタンスポンジにはさまざまな種類がありますが、台所スポンジくらいの硬さのものを使用することが多いです。
スポンジ培地には、以下のような特徴があります。
- 水分や酸素の保持力が高く作物に栄養が行きわたる
- 作物に最適なサイズに切り分けられる
- 価格が安く大量栽培に向いている
スポンジ培地には、上記のような多くのメリットがあり、植物工場や家庭などで幅広く活用されています。
水耕栽培のスポンジ培地で種が発芽する条件
水耕栽培のスポンジで種が発芽するには、以下の3つの条件が大切です。
- 十分な水の量
- 作物に合わせた適切な温度
- 種が呼吸するための空気
十分な水分量
水耕栽培ではスポンジ培地を水に浸して、作物に水分を吸収させます。
スポンジ培地が十分な水分を保つためには、内部の空気を押し出すことが大切です。スポンジ培地を使用する前には、水に浸けた状態で上から手で押さえて、空気を抜いてください。
作物に合わせた適度な温度
一般的に種が発芽するのに適した温度は、15~25℃とされています。
しかし、実際は果物や野菜の種類により、発芽に適した温度は異なります。
発芽適温 | 作物名 |
---|---|
15~20℃ | さやえんどう、レタス、ホウレンソウ、ニンジン、キャベツ |
20~25℃ | ニンジン、キャベツ、白菜、ブロッコリー、カブ |
25~30℃ | トマト、ナス、ピーマン、キュウリ、スイカ、カボチャ、キャベツ |
30~35℃ | ナス |
発芽適温は、種のパッケージの裏面などに記載されています。適温から外れてしまうと、発芽しないこともあるため、発芽適温で育てることが大切です。
種が呼吸するための空気
種子が水分を吸収すると、呼吸を始めるため十分な量の空気が必要です。
呼吸により発芽のためのエネルギーを作り出すためです。
水耕栽培は、土で育てるよりも酸素が不足する傾向にあるため注意してください。
酸素不足を判断するには、根の状態が重要です。
通常は白い根が、茶色く細くなってきたら、酸素不足の可能性があります。水を交換したり、エアーポンプを設置したりして対処してください。
おすすめの水耕栽培用スポンジ培地の選び方
水耕栽培のスポンジ培地にはいくつかの種類があります。
ここでは、おすすめの水耕栽培用スポンジ培地の選び方を紹介します。
スポンジ培地の形状で選ぶ
スポンジ培地には、以下の3つの形状があります。
- 十字切り込み
- くぼみ
- 十字切り込み+くぼみ
十字切り込みがあるスポンジ培地は、切り込みから1cmほどの深さに種子を入れます。切り込みに入れることで、水分を吸収しやすく、保湿にも役立つため、種子が発芽しやすくなります。
くぼみがあるスポンジ培地は、コーティング種子などの丸みのある種子の種まきに便利です。スポンジ培地は清掃をする際などに移動させますが、くぼみがあると種子を落とす心配がなくなります。
カラーで選ぶ
スポンジ培地には、白と黒の2種類があります。
一般的には白が使われることが多いですが、最近では黒の人気が高まっています。
黒のスポンジ培地は、日光を通さないためカビやアオコの繁殖を抑えられることが特徴です。
カビやアオコの繁殖を抑えられると、果物や野菜が健康的に育ち、収穫できる量が増えるでしょう。
また、容器の清掃やスポンジ培地の水洗いなど、お手入れの回数を減らせます。
ただし、白よりも黒のスポンジ培地の方が、販売価格が少し高い傾向にあります。
以下のサイトでは、白と同じ価格で黒を販売しています。ぜひ、白のスポンジとの差を比べてみてください。
水耕栽培でスポンジ培地に種まきをする流れ
スポンジ培地に種を撒く際は、まずスポンジ培地に十分な水を含ませます。ここでは、水耕栽培でスポンジ培地に種まきをする流れを解説します。
スポンジ培地に水分を含ませる
まずは、スポンジ培地を適切な大きさに切り分けて、容器に張った水に浸けます。
スポンジ内部に空気が残っていると、種子が十分に水分を吸収できないため、手でしっかりと空気を押し出してください。
容器の水は、種子が浸るくらいの高さにしてください。
切込みやくぼみに種子を入れる
スポンジ培地の準備が完了したら、種子を撒きます。
切り込みありの場合は、1cmほどの深さの場所に種子をおいてください。くぼみの場合は、くぼみの上に置くだけです。
発芽したら液体肥料を加える
種子が発芽するまでは、液体肥料は不要で、水だけで育てられます。種子の内部にある栄養だけで発芽するためです。
初めて水耕栽培をする方は、早く植物を大きくさせたくて、液体肥料を多くあげてしまいます。しかし、液体肥料をあげすぎると、成長を妨げてしまうため、必ず適量を与えてください。
まとめ
スポンジ培地とは、水耕栽培で植物の根を支える部分のことです。
水耕栽培では、土壌栽培と違い土を使用しないため、根を支えるためのスポンジ培地が重要です。
スポンジ栽培はさまざまな種類があるため、形状とカラーであなたに適したものを選んでください。
スポンジ培地に種まきをする際は、内部の空気を抜いて、十分に水を含ませることが大切です。
そだてる果物や植物に合わせて、最適なスポンジ培地を選んでください。
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